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日の目を見る9

2011/04/22 Fri 21:33

 昔の木造建築は柱の上に太い梁が乗っている。城、社殿、寺院、屋敷などみんなそうです。重量物が上に乗る事で安定するらしい。上部が重いと頭でっかちで倒れそうな印象を受けるがそうではないのだ。
 寺社や武家の屋敷などに直線的な姿の良い材が使われる。農家などはお金を出してもそれらの良い材は手に入らなかったとか。身分が違うから使えないのだ。そこで、ぐにゃりと曲がった材木を梁に利用した。天井も貼らずに曲りの梁が見えるようにした。いや、わざとそうしたのかは、知らない。後年、この見える曲り材がデザイン的に人気が出たりするのだから面白い。
 寺社の軒の作りを見上げると、曲線で下がりながら張り出している梁をよく見る。構造工学でそうしたのか、デザイン的にそうしたのか知らないが、曲線の梁の両端を支える柱の長さは違って来る。この柱の長さを算出するのが難しい。三角関数ですね。数学でサインコサインタンジェントを習いました。三紐伐りの撮影で、倒れて来る巨樹に当たらない場所に無人カメラをセットする為に三角関数で巨樹の高さを計算しカメラを設置する位置を割り出したりしました。
 中村棟梁の持つ技術は、数学の三角関数ではなくて、差し金だけで割り出して来る方法です。「差し金」はL字型の物差しです。それで計算して再現した梁に墨を打つのです。その作業を撮影しながら、三人が三人とも何をしているのかと質問した訳です。
 曲がった木材を利用しての梁の設計は難しいのに、今回は事前にあった物に形を合わせなければ行けない所が、またまたややこしいのです。焼け残った柱には、梁が入るホゾがある。つまり場所が先に決まっている。その上、曲がった梁の下を直角に交差する別の曲り梁と接触もしなければならない。三点の接点があらかじめ決まっているその形に曲り梁を再現しなければならないのです。これを書いていて思いましたが、私の文才、表現力が稚拙で全然状況が分かりませんね。あーあ。
 建物は水平と垂直が基準です。梁がどれだけグニャグニャ曲がっていようと、垂直の柱の上に乗せます。その為に、斜めに設置される曲り梁にも、水平を表す墨を入れなければなりません。

Still0419_00012.jpg

上の絵で言うとブルーの線が水平線。これを現場では架空の線として作業を行うのです。架空というか、仮の線なんです。この仮の線の在処を探る作業を差し金と感で行います。それを撮影隊が端から眺めていても、さっぱり何をしているのやらチンプンカンプンなのです。この仮の線を決定するのが、赤丸で囲んだ三カ所の接触点なんです。
 私は現場に行った事がないので、撮影された映像を何回も観て想像力を働かせます。この時に、中村棟梁が大きな声で何でも話してくれているので、とっても助かりました。しかも、何回も分かるように手を変え品を変え話してくれるので、まとめて聞く私には大変分かり易い。現場で質問している三人がどこに引っかかって理解出来ないかまで分かっちゃうんだなー。つづく。
をはら筆
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