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2009年10月前半のアチック・フォーラムは、9日・10日の2日間に渡って
開催された和光大学「アジア・フェスタ in WAKO 2009」の一環として、
同学内に会場を移し「アジアのドキュメンタリー上映会」と共催。

在日朝鮮人の女性の生涯を追った野澤和之監督の『ハルコ』上映後に、
民族文化映像研究所・映画作品No.2『アイヌの結婚式』(北海道二風谷)と
映画作品No.39『ボゼの出る盆行事』(鹿児島県悪石島)が上映されました。

(※『アイヌの結婚式』は、紀伊国屋書店『日本の姿』第1巻収録の30分版)

s20091010.jpg
左/会場に赤ちゃんを抱いたお母さんの姿を見つけて頬をゆるませる姫田。嬉しそう
右/今回の「アジアのドキュメンタリー上映会」を主催された、講師・関根秀樹さん
『アイヌの結婚式』は、北海道日高地方に流れる鵡川(むかわ)流域から
並走して流れる大河・沙流川(さるがわ)流域の家へと嫁ぐひとりの女性、
小山妙子さんの希望で実現したアイヌ流結婚式の様子を記録した作品です。

若い世代には想像し難いかもしれませんが、明治以降の同化政策によって、
アイヌはみずから受け継いできた文化や生活を変えることを強制されました。
このため7,80年もの間、アイヌ流の式を行うことがなかったといいます。

そんななか、ひとりの女性が、年長の者たちも経験したことがないという
結婚式をできるだけ本来のありのままの形で行いたいと申し出たのです。

大地に福寿草や蕗が顔を出しても空にはまだ雪がちらつく4月の北海道で、
妙子さんは冷たい川を越えて新郎・貝沢三千治さんが待つ村へと歩きます。

母から娘へ、妻から夫へ、夫から妻へと贈られる手ずからの生活品。
新しい家族の誕生を迎え祝い、力を合わせて新居を整える村の人びと。
儀式の間中、じっと我が子の姿を見守りつづける新郎新婦の父母。

ウウェペケレやユーカラの伝承のまま、あるいは現代のどの家庭にも見られる
親子の姿、心の動きがそこにあるのではないでしょうか。


sDSC_0581.jpg
上映前の会場風景、和光大学J棟4階Jホール。屋外にはアジア各地の料理を味わえる屋台も

上映2作品目の『ボゼの出る盆行事』は、鹿児島県トカラ列島悪石島に伝わる
盆行事を記録した作品です。儀礼に用いる仮面は、世界中で共通してみられる
ものですが、「ボゼ」は特に目を引く特徴のある顔かたちをしています。

そしてまたこの行事も土地の人びとの手によって自らつくられる祭りです。
先に上映した『アイヌの結婚式』と見比べて、いかがでしたでしょうか。

神事の舞、道具の形や模様、参加者の姿、そこにあらわれる精神性など、
日本の北と南、ひいては日本とアジアや世界の国々とを見比べることで
各地に共通するもの、対照的なものが各々あることを浮かび上らせたい、
というのが今回ラインナップのテーマだったように思います。
見知らぬ土地でも「知ってる」「懐かしい」と感じることがありますよね。

先頃ニュースになった二風谷ダムにつづく沙流川開発・平取ダム建設事業、
アイヌ古式舞踏のユネスコ世界遺産登録、アイヌ文化振興法見直しなど、
今なお問われるアイヌの世界。皆既日食で一躍注目を集めた南方の島々。

ニュースにならない、けれど絶え間なくつづくわたしたちの生活、
ひとりひとりの人間や自然の表情に目を向けていきたいものです。
そこに新しい出会いがある気がします。

次回2009年10月24日(土)のアチックフォーラムは、
『寝屋子─海から生まれた家族』 『まちゃん(待網漁)─与論島』を上映。
通常通り、民族文化映像研究所で開催の予定です。

(白石千洋)

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アチック・フォーラムから
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